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岡様(以下 敬称略) わかりました。ここ「にながわ光風苑」の他に、「くまの光風苑」「ながれすぎ光風苑」と3つの特別養護老人 ホームを運営しています。「ながれすぎ光風苑」については、養護老人ホームもあります。他に、ショートステイ(短期入所生活介護)、デイ サービス(通所介護)、ホームヘルパー(訪問介護)といった事業も行っており、光風会全体としては約260名の職員が勤務しています。
岡 より家庭生活に近い自然な日常を送れることをめざしたスタイルをユニット ケアと言いますが、それに適した40室からなる新型の特養「こもれび」をこの施設の隣に増築し、平成16年(2004年)の4月に運営をスタートさせるこ とになりました。
従来、この施設には清掃専任として2人の職員がおり、物理的・時間的に不足する部分については、介護職が補っていました。施設が大きくなる と、清掃の負荷が増えることはもちろんですが、入居者に対して身体面だけでなく精神面でのサポートも重要になってきます。介護職の負担も増えるため、片手 間仕事で清掃もままならない、ということでプロの手を借りようということになったわけです。3社ほどからプレゼンを受けて、提案内容と料金の観点からコス トパフォーマンスが高いだろうと判断したビルボウさんにお願いすることになりました。
岡 それが私どもとして気がかりな点でした。ビルボウさんにご相談申し上げたところ、ビルボウの従業員として採用いただけることに なったのです。これは本当にありがたかったです。現在、ここ「にながわ光風苑」と「くまの光風苑」は、5名からなる同じチームの方々が清掃を担当していただいているのですが、その内の2名は元々私どもの職員だった方々なのです。
吉田様(以下 敬称略) 元々、管理がきちんとできなかったり、介護をしながら清掃業務もこなすのが難しい、といった事情により外 注化に踏み切りましたが、私どもとしては彼女たちの仕事ぶりに不満があったわけではありません。従来からしっかりとやってくれていました。にも関わらず、 ビルボウさんの一員になってからは、その段階から更に見違えるようにレベルアップされたと思います。
吉田 清掃の質はもちろんですが、それをいかにスムーズでスピーディに行うかという効率に対する意識や姿勢、一つひとつの立ち振 る舞いから挨拶に至るまで・・・もっと言うと体型がスリムにまるで別人になってしまわれました(笑)。
砂山 当社では、一つひとつの作業について、標準となる時間を決めて取り組むようにしています。追い立てられるようで息苦しく感じ るのではと思われるかも知れませんが、実際は逆なんです。理に適った基準をつくることで、清掃担当者自身も目安・目標ができて、かえってテキパキと各作業 をこなしていくことができるんです。フィットネスクラブのサーキットトレーニングのような感覚に近いと思います。だから健康にもなるしダイエットにもな る。
でもそういう動き方をすることは、やはり体力的には疲れることなんです。でもこの施設の職員の方々は、彼女たちの働きぶりに対して常に関心を払い、褒めたり感謝の言葉を掛けてくださる。そのことが強力なモチベーションになっているんだと思います。
吉田 義務的に関心を払うというのとはちょっと違いますが……私自身が掃除が好きなので、どんな作業をしておられるのか観察したり教えてもらったりすることはありますね。
私たちではできないけれど、ビルボウさんという専門会社だからこそ、日々の適切な教育・指導方法や効果的な研修ノウハウが蓄積されていて、このよ うな能力向上が図られるのだと思います。他にも、定期的に本社からチェックに来られたり、表彰のための制度があるという事なのできっと励みになっているのだろうなと思います。
岡 年齢のことを言うのは失礼なのですが、お一人は現在70代中盤の方なんです。今だと間違いなく10歳は若く見えますが(笑)。 ですから入居者によっては、自分の方が年上になるわけです。ビルボウさんに受け入れていただけることになったとき、「ああ、良かったな」と安堵する一方、 「体力的にあとどれくらい続けられるかしら」という想いもありました。でも7年以上経った今でも、毎日元気に頑張っていただいている。
吉田 すごくよくやってくださっていると思います。私たちが気づかないようなことや後回しにしてしまっているような部分についても、先回りして提案してくれたりしますし。
吉田 毎日行う日常清掃の他に、1ヶ月に1回程度行うものを定期清掃と呼んでいますが、玄関部分については新規採用の方が入られる 春に合わせてやってはどうかとか、8月の納涼祭で汚れているであろう場所をその次の定期清掃のメニューに加えてはどうかなど、細かいところに気遣いを感じ ます。あと剥離といって、汚れが積み重なったワックスを剥がして新しく塗り直す作業について提案してくれたり。
岡 すごく手間の掛かる作業なので、自分たちからやりましょうと言っていただけるのはとてもありがたいことなんです。これらの提案 いただいたものについてお願いすると、どんどん清掃コストが上がっていくかといえばそういうことは決してありません。優先度の低い ものを次回に回すなどのやりくりをして、決められた費用の中で最大限の効果が上がるように考えて提案していただいています。
吉田 いつもの5人とは別に、定期清掃時のみ入られる臨時の方がいらっしゃるのですが、きちんと引き継ぎがされていなかったのか、 やるべき箇所がきちんとできていなかったということが過去にありました。ただそのときもお話ししたらすぐにやり直していただくなど、スピーディに手を打っ ていただきました。他にはあまり問題を感じたことはありません。
光風苑さんの場合、入居者の方々については、認知症などを患っていらっしゃる方が大半です。我々のさせていただいているお仕事についてご満足いた だけているか、お役に立てているのか。職員の方の評価を伺うことはできても、入居者自身の想いを知ることは、なかなか叶いません。
入居者の中には、食事で口に入れたものをすぐにボロボロとこぼしてしまう方がいます。伝わらないとわかりながらも、「お元気ですか?」「お掃除し ますね〜」などと声を掛けしながら、私は汚れたところを拭いていきます。それが来る日も来る日も、何度も何度も繰り返されると、時として「私がやっている ことって意味があるのかしら」などと思ってしまう時もありました。
しかし……そういう方であっても、突然一時的に普通の状態に戻ることがあります。いつも通り、食べ物で汚れた床を掃除していたら、突然その方が泣 きだしました。そしてこうおっしゃったのです。「私ったら、毎回食事をこぼしてしまってごめんなさい。いつも綺麗に拭いてくださって本当にありがとう」
それを聞いた私は、感極まって涙が溢れてきました。入居者の心からの声を直接伺った感動と、一瞬でも自分の仕事の意味を疑った後悔の念がない交ぜ になったような気持ちでした。この方に限りません。「たとえ言葉や態度で表現できなくても、私たちの仕事の大切さやそれに向かう姿勢は、きっと利用者の 方々にも届いているに違いない」。今はそう信じています。
岡 はい、従来は富山県の施設だったのですが、それを引き継いで運営する法人を公募することになったのです。最終的には私どもに移管されることとなり「ながれすぎ光風苑」として再出発しました。平成19年(2007年)4月のことです。
砂山 我々が新たにお仕事をいただく場合、3つほどのパターンがあります。1番目は、自前での清掃から外注化への移行に伴って請け 負わせていただくケース、2番目は新たな施設や事業所を建てられたことに伴って清掃が必要になるケース、3番目は他の清掃事業者さんからの切り替えです。
光風会様の場合、「にながわ光風苑」は1番目(外注化)、「くまの光風苑」は2番目(新規建設)、「ながれすぎ光風苑」は、行政からの事業移管に 伴って事業者が我々に切り替わった3番目のケースに相当します。珍しいことに、光風会様だけで全てのパターンを経験させていただきました。
岡 社会福祉法人であるからには、できる限り透明性のある経営をすべきというのが、我々の基本的な考え方です。決算報告書もホー ムページで公開しており、誰もが閲覧することができます。委託事業者の選定も同様です。「にながわ光風苑でやっているから、ながれすぎ光風苑の清掃もビル ボウさんで」ということにはなりません。「ながれすぎ光風苑」の時も、「にながわ光風苑」同様に、ビルボウさん含め複数の事業者さんからの提案を受けて比 較検討した上で、決めさせてもらいました。
吉田 やはりこの施設の清掃活動が上手く回っているのは、リーダーの方に負う部分が大きいと思います。チーム内の信頼関係もしっかり できているようにお見受けしますし、我々職員としても全幅の信頼を寄せています。常に「ちょっとでも気になることがあったら何でも言ってくださいね」とい うスタンスなので、こちらとしてもすごく相談しやすい。このままの状態で着実にやっていただければと思います。
砂山 こちらに寄せていただくと、独特の良い雰囲気の時間が流れている施設だなぁということをいつも感じます。いつか自分自身が入 居者の方々のような状況になったら、ここでお世話になりたい、私にとってはそんな風に思わせてくれる施設なんです。当社としても、そんな居心地の良い空間 を守るお手伝いができることを嬉しく思います。本日はありがとうございました。
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